太極拳と楊名時先生への想い。

太極拳と出会ってから、40年くらいになります。

当時、少林寺拳法を毎日のようにやっていたのですが、この拳法を何年も続けらるとは思えなかった。どこか哲学が欠けているように思えた事、あくまでも戦う武術であること、これは続けると必ず怪我をすること、どこかとても軍隊的なところ。そういうところが、どこか、僕には適してないのではないかと感じていた。

そういう時に、太極拳という最も柔らかい武術があると聞いた。楊名時先生が、太極拳を教え始めたばかリだったと思う。空手道場を借りたり、公民館をかりたりしてクラスをなさっていました。始めて見る太極拳の柔らかい美しい動きにも感動したが、なによりも楊先生の柔らかいお人柄に感動したのが、太極拳を続けた第一の理由でした。

その後にも、いろんな素晴らしい太極拳や気功の先生にも出会った。でも、楊先生は決して忘れられない。僕にとっての太極拳の最初の先生でもあったし、今でもいろんなことを思い出すことがあります。NYから、間違い電話で二度ほど夜中に起こしたことがありました。NYの僕の針の先生の名前も楊先生で、NYの昼に(ということは、東京の深夜に)間違い電話をしたわけです。それでも、いつも優しく返事をなさっていた楊名時先生は、数年前に亡くなられたそうです。

先生有り難うございました。僕の太極拳の流れには、先生から頂いた沢山のものが詰まっています。そういうエッセンスは本やDVDでも頂けなかったものだと思います。

太極拳を続けて、いろんな事がありました。そのことも機会をみて書いてみたいと思います。数日前に、天真爛漫太極拳のクラスが終わりました。皆の太極拳の熱で曇った窓を見たときに、ふと楊先生のことを思い出しました。「有り難うございます。お目にかかれて光栄です。」

Post to Twitter