50年まえにカンヌ映画賞をもらったドキュメンタリー映画。Arayaを観た。

この土曜日は、ウイットニー美術館に行った後に、気になっていたドキュメンタリーフィルムを見に行った。
1959年にベネズエラの女流監督、Margot Benacerraf が作ったB&Wの映画で当時カンヌの賞も貰ったが、ほとんど公演されずにいて、幻の名画と言われていた。今回、痛んでいたオリジナルのフィルムをデジタルで綺麗にして再生されたもの。
今年のベルリンフィルム・フェスティバルにも参加した、という記事を読んでいたので気になっていた。

Arayaというベネズエラにある半島の小さな村の生活を題材にしていた。塩作りと魚業だけで、400年も毎日同じ生活を繰り返す様子を、とても詩的に表現している。
ドキュメンタリーというには、あまりにもステージされている感じがするけれど、じっくり感動を呼ぶ作品だと思った。なにしろ、どのシーンもフレームワークも、白黒の具合も、考えられている。
女性とは思えないような力強い映像と音楽だ。

そして最後には、この400年も続いてきた村人の生活が、トラクターなどの機械や、工場などの資本主義で、急に変化が起きているということに対しての疑問を投げかけている。

この監督は、この作品以外には、あと一つだけ作っているだけで、あとは、作っていないそうだ。いったい彼女になにがあったのかと思って、ウエッブで調べてみたが、良くわからなかった。

当時、ビスコンティや、ロッセリーニなどとも匹敵する才能だと言われた人なのに。

もし日本でも上映されたら、ぜひ、観てみてもいいかと思います。
ただし、ちょっと退屈かもしれません。
僕は、どっちかというと映画に関しては、刺激があるものよりも、ちょっと退屈で、いろいろ考えさせられるようなテンポの作品がすきなので。

http://www.arayafilm.com/index.html やhttp://www.milestonefilms.com/movie.php/araya/で、
この映画の予告編も観ることが出来ます。

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