流動的な水のようなムーブメントで自己発見する。コンティニウム・ムーブメント

僕が長い間、模索しているテーマが幾つかあります。Body, Mind & Spritもその1つ。身体と心、そしてそれよりも大きなものとの繋がりについて、小さなときから無意識下でも意識的にも興味がありました。とくに身体ということは動き(movement)と呼吸がキーになると考えています。生きるということは動きで、それを支えているのが呼吸です。

NYにいる間は、できるだけいろんなことに触れようと心がけています。
今回は、いろんなワークショップを教えること、NYでのビジネスのこと、税金のこと、アパートの件などの仕事の合間に、フィジカル・トレーニングとムーブメント・セラピー、トラウマ療法などがテーマです。
今日は、body, mind, spritのことを扱っているコンティニウム・ムーブメントと、それを教えているメアリーを紹介します。
コンティニウムというのは、エミリー・コンランドがダンスや演劇やハイチのダンス、ロルフィング、フィジカルセラピーなどから独自に作り上げたムーブメントセラピー。水の動きが生命の根本に深く関係するという哲学から生まれたもので、特に動きにパターンがあるわけではなく、呼吸や音を使いながら自由に動きながら、自分でより自然な動きや自分自身を発見していくというもの。最初は、何を学んだらいいのかが分かりにくいのですが、やっていくと自分の身体と生命の根本の繋がりや、普段の生活のなかでの動きや考えを限定していることが、実感できるようになります。
元バレリーナのメアリー・アブラハムは、コンティニウムを教え始めてから16年になる優れたインストラクター。僕も10年もの付き合いになりますが、小さな身体から、優しさと優雅さがにじみ出ているのを感じます。「身体のなかにある自分との対話と発見ということに目覚めた。表現は外に向かっていなくても、内に向かっているだけでいい、ということに気がついたの。それに以前は、リハーサルやステージに立っているときだけがダンスをしているような気がしていたけれど、今では、いつでもダンスをしている実感があるのが嬉しい」と語ってくれました。
コンティニウムによって、背骨の障害や事故で身体が不自由になった人が、思い通りに手足を動かせるようになった実例もたくさんあります。クラスの参加者は、年齢も興味もさまざま。プロのダンサーもいれば、ヨガのエキスパート、好奇心で来ている人、身体に不都合がある人などです。特に上手に動く必要はなく、自分の身体の動きから、自然に発見があり変化が起こり、自然にヒーリングになるのです。
僕には、『命とダンスする』というイメージです。そして、これは僕のライフテーマでもあります。
数あるムーブメント・セラピーのなかでも、このコンティニウムは素晴しく、こうしたフォーミュラのない教義は日本では特に大切なものだとも考えています。ついつい形にこだわって、本質を見失いやすい日本の社会には、実に有用なものだと考えています。いつかメアリーを日本に招待したいものです。こういうことを学びながら、僕のやっている瞑想や太極拳や気功、そしてフィジカル・トレーニングなども、もっともっと自由になっていけると信じています。

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