ムリムトとシーレ。

ムリムトとシーレ。

ウィーンでは、どうしても見たいものは、クリムトとシーレだった。

時間があんまり無いのが分かっていたので、最初の日に一人でベルベデーレ宮殿にあるオーストリア美術館に電車ででかけて、とにかくグスタフ・クリムトの接吻を見た。実際の絵を見た事が無かったので、ぜひ観たかった。

ワークショップが終わった次の日には、生徒数人と一緒に街の中にあるレオポルト美術館にエゴン・シーレを観に行った。

二人とも19世紀末に活躍したウィーン分離派の代表的な画家。。1918年に、クリムトは56歳で、シーレは28歳で、亡くなった。

よくどっちのアートが好きか?と聞かれるけど。僕は、実際に見るまでは、絶対にシーレが好きだと思っていた。しかし、実際に二人の多くの作品を同時に見てみると、僕はクリムトのほうが僕にあっているんだと思った。あの金箔のギラギラ感と様式感が嫌だよなあっと思っていたけど、実際に鑑賞させてもらったら、凄く気に入ってしまった。クリムトのエロティックな世界がピンと来たのかもしれない。シーレの自己破壊的な美は、僕が20代だったら、絶対シーラ派だろうなあって感じた。

でも、一緒に行ったウーリさんは80歳なのにシーラのほうが好きだと言っていたから歳とは関係ないなあ。このウーリはジュネーブから列車で参加してくれた。すっかり仲良くなった。20年も杖がないと歩けなかったらしい、タバコも一日5箱もしていたらしいけれど、この10年ですっかり元気になって、今は一人でどこにでも行っている。僕の尊敬するフェルデンクライス先生もよく自宅に来ていたと言う。旦那様は、85歳で原子力の研究者としては、有名らしい。今度、できたらお家に伺って、じっくり話を伺いたいと思っている。

ウーリは80歳とは思えない。元気で好奇心満々。

ウィーンという街は、19世紀のころには、文化的にも、経済的にも、素晴らしく活発だったのだろう。建築や家具も、音楽も、哲学も、素晴らしかった。

街には、そのころの雰囲気がいっぱいだ。パリやローマとは違う、ロマンチックな街だと思った。美しい女性も多いし、ぜひまた来たい街だ。

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