9.11 同時多発テロ事件。あの時僕は、そしてその後、、、
もう10年たった。
あの日のことを、快晴だったあの日のことを、はっきりと覚えている。そして、その後の一ヶ月くらいの毎日のことを。
僕は、ちょうどスタジオに向っていた。五番街の眼の前でみていた。なにが起きているのかは誰も良くわからなかった。
あの事件が、こんなに多くの人の生活に影響を及ぼすとは思ってもいなかった。僕も、あれを機会にいっぱい考えた、感じた。
911を機に、世界はもっともっと平和の方向に、心の通じ合う方向に進むのだと感じていた。その時、マンハッタンに住んでいたほとんどの人がそう信じていた。けれども歴史は逆の方に曲がって行った。
911のことでは、話したいことが山のようにある。毎日が感動の日々だった。あんなにニューヨークという街を誇りに思った事が無かった。そのニューヨークには、力が以前よりも無くなった。
個人のレベルでも、社会のレベルでも、沢山のことが起きた。
まさか、10年後に、まだ現場にグランドゼロの後が残るとは予想もしていなかった。まさか、10年後の世の中が、こんなに停滞しているようになるとは予想もしていなかった。
歴史の流れというのは不思議だ。自分が歴史の一部だということ、そして大きな歴史の流れの中でしか、自分というものが存在できないということも実感している。
とにかく感深い。そして、無くなられた多くの人に冥福を再び送ります。そして、その家族、友人たち、その後、いろいろ病気になった多くの人たちに、祈ります。
僕にとっても大きな事件だった。個人的には、この事件で有意義なことをいっぱい学べた。でも社会的には、かえって逆もどりしてしまった。今年の東日本の大地震、原発事故も、僕個人的には、いっぱい学ぶチャンスになっているに違いない。そして社会的にも学ぶ機会になって欲しいと願っている。いまのところ、そういうポジティブな動きはほとんど見つからない。
いろいろ考えないで、やはり、今日は祈ろうっと思った。