澁澤龍彦展に行ってきた。

澁澤龍彦展に行ってきた。

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世田谷文学館で澁澤龍彦展が行われていたので行ってきた。

彼の没後30年ということで企画されたものらしい。僕は高校生、大学生の時に澁澤龍彦の醸し出す世界にとても惹かれていた。他にもサルトルやカミュ、ベケット、吉本隆明などの醸し出す雰囲気に惹かれていた。

コルトレーンやマイルスのジャズやフェリーニ、ヴィスコンティ、ゴダールなどの映画などにも同様に惹かれるものがあった。どれも意味が理解していたわけではないけれど、こういうものに憧れないといけないと思っていたのか、あるいは自然に惹かれたのかはわからないけれど。

でも、最近になって昔惹かれた彼らがまた僕の中で輝いてきている。

数週間前に、新聞の端で見つけた「澁澤龍彦展」という文字に刺激されて、早速「高岡親王航海記」を読んで見た。

一気に読めた。僕には、世界観がイメージしやすい文体と内容だった。久しぶりに文学に感動した。シーンやキャラクターがくっきりイメージがしやすく、不思議な雰囲気なのだろうけれど、僕にはごく普通の日常な感じがして嬉しかった。「夢の瞑想」に繋がるところが沢山あると感じた。

澁澤龍彦というとマルキドサドの翻訳やエッセイしか読んだ記憶がなかったけれど、この小説は僕的には沢山腑に落ちたところが多かった。異端の世界と当時言われていたけれど、いまの僕には普通に感じるのはどうしてだろう。

世田谷文学館は、芦花公園という僕は初めて降りた駅から10分くらい歩いた所にあった。人はほとんどいないだろうと思っていたのに、結構賑わっていた。澁澤龍彦のファンって結構いるのかもしれない。

展示物のほとんどは、草稿、原稿、創作メモやハガキなどだったけれど、充分に澁澤龍彦ワールドが楽しめた。

澁澤が(呼び捨てが似合う感じがする)もっと長生きして、今何かを書けたらとしたらどうなっているんだろう?

結構立派な博物館だ。見終わってから、そこのカフェでカプチーノを飲んだ。ひどく昭和な味だったのが笑えた。

そして今、「唐草物語」を読んでいる。

澁澤は、日常的にカラフルな夢を見ていたに違いない。物静かで、そして捻くれたユーモアと、深い教養が織り込まれている彼の文章は、僕は好きだと思った。

 

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