紅葉は、トスカーナでも、京都でも、ニューヨークでも。
ニューヨークに移住する前には、紅葉というのは、「日本のもの」と僕は信じていました。よく考えてみると四季がある所には世界中どこでも紅葉があるはず。でも、なんか紅葉のような侘び寂びは日本のものと信じていたのです。
ところがニューヨークの秋に、びっくり。見渡す山々が真黄色!心臓がドキドキしてくるほどのスケール。なんだ、日本だけのものじゃなかった!という発見に自分の無知と言うか、想像力の乏しさに自分でビックリ。そういえば、蛍をチベットで見た時にも、「ええ、蛍って日本の情緒じゃなかったの?」と思った自分の無知に驚いたことを思い出します。
今年は、世界各地の紅葉をみる機会がありました。
パリのマロニエの並木の紅葉。これはなにかパリファッションのような艶なものを期待してたのに、以外と渋い。大体色が黄色ではなく茶色。まあ、秋のコートが似合うかも。
トスカーナの紅葉が素晴らしかった。ご存知のようにワイナリーの丘が重なり、その丘の上に中世の村が点在する景色。葡萄の紅葉って茶色かと思っていたのですが、真っ赤な赤も所々あって、鮮やか。陽の光も、パリやウィーンやニューヨークとは違って、光がキラキラしている感じが好き。
日本では、関西でのワークショップの帰りに、京都で紅葉を見る機会があり鞍馬山に行きました。流石、日本のツツジの赤は、ほんとうに素晴らしい。アメリカのツツジとは葉の細やかさや鮮やかさが、全く違う。繊細な日本の美しさは、素晴らしい。
紅葉ひとつ取っても、世界でいろんな美しさがあると実感。僕たちの住んでいる地球は、美しい、とにかく美しい。もっとも他の惑星や星も、美しいのかもしれないけれど。
世界の街、どこに行っても同じようなお店になって、同じようなレストランになってしまって来ているけれど、自然の美しさも、世界中同じ様になっては欲しくない。クリスマスのイルミネーションが、どこの大都市でも同じようになって来てしまっているのが、ちょっと寂しい感じがしています。と、言いながらTaoZenのスタジオのある表参道のイルミネーションを見てきて、それなりに感動してしまっている自分に、呆れるやら、ホッとするやら。