故郷の秋田に来ています。木村伊兵衛の写真展で、日本の昭和の農民の強さを感じました。
実家の秋田に来ています。
秋田市民千秋美術館で、「木村伊兵衛が視た秋田」という写真展をやっていたので寄ってみた。
僕は、木村伊兵衛と言う写真家と実は認識していなかったのですが、ポスターの写真の力に魅かれて入ってみたのです。
1950年から60年前半の秋田の農民の生活をドキュメンタリー(その当時は報道写真と呼んでいたらしい)です。約50点くらいあったのでしょうか。
とても素晴しいのでビックリ。土門拳とともに日本の昭和の写真家の大家らしいのですが、彼の職人根性というか、そういうものを感じさせる作品です。
いい加減にポーズをとらしたのでは、なく根気よくフレームのなかで、生活がしかも美しく撮られているという感じです。
それにしても、50年から64年くらいの日本の農家の生活というのは、明治、大正のそれとあんまり変わっていなかったんですねえ。
都会の変化には、まだ、影響されなくて、きっと江戸からの農民の生活様式と心を保って生きていた様子が良く分かります。(農民という言葉も、なんか忘れていました。この言葉は、なにか暗いイメージがありますね。)
貧しいといえば、貧しいのでが、その中に生活力というか、そういうものを感じます。きっと美しく撮っているのだと思いますが、働く女性(まあ、良く働いている!)の強さと美しさが凄い。キツイ仕事や生活の中で、女としての美しさを遠慮しながらもきちんと主張している。
それにしても、日本の多くは、60年代後半から急に、都会化して近代化して、生活様式が変化したんですねえ。
でも、それとともに、心はどういう風に変化してきたんだろう?
今の僕らは、どうやってココにたどり着いたのか、どうなっているのだろうか?どこに向かっているのだろうか?
そういう大きな疑問を持たせる作品たちでした。
報道写真ではなく、ドキュメンタリーアートだなあと思いました。
www.kahitsukan.or.jp/ihe.html
で、作品のいくつかを視ることが出来ます。