JAL 5便の中で。思い出、映画、機内食。

もう何回、NYと東京の往復をしたのだろうか?この30年間で年に2回でも60回だ。
いまだに飛行機の中にいるのが好きなのは、僕がまだ旅が好きだということだろうか?
まだ、子供だからだろうか?”外国好き”だからだろうか?といっても、今の僕にとっては、どこでも外国になってしまった。

JALの広告の仕事から、僕のNYでのマーケティングの仕事は始まった。まだ、パンナムが
世界一の航空会社だったころだ。JALも大きなオフィースが五番街にあった。僕が勤めていた広告代理店は、セントラルパークの近くの小さめのビルの中にあった。僕のオフィースから、ほんの少しだけれど、パークが見えた。そこから、毎日のように五番街を歩いてJALに行った。大人になった気分でスーツと着て、ネクタイもして。
クライマークライマーというダスティンホフマンの映画が上映されていたころだ。

そのJALが経営不振で、政府の関与を受けているという。PAN AMは、もちろん無い。すてきなロゴだった。夢のあるロゴだった。明るいブルーがいまでも忘れられない。

飛行機の中は、身動きできずに、電話もなにもなく、本を読んだり、ものを書いたり、映画をみたり、予定を建てたりする。僕は、この時間が大好きだ。最近は、それにしても座席が狭い感じがするけれど。それと飛行場の手続きが、とてもストレスフルだけれど。

機内の映画は、まあ、無難というか、わざわざ映画館にいってもるようなチョイスではないものが多い。さきほど Julie & Juliaという映画を見た。ジュリア・チャイルドという有名な料理家と、若いジューリーの話だ。僕がアメリカに来た頃には、ジュリア・チャイルドの料理の番組をまだ、やっていた。甲高い声、大きな身体の不思議な女性だった。彼女の本は、どこの台所にも一冊あった。彼女の役をメリル・ストリープが演じているが、流石の演技だ。僕は料理が全く駄目だけれど、料理というのは素晴らしい愛の行動だと思う。心を込めて作るものは、なんでも芸術だ。料理の場合は、それを直接食べるという行動で鑑賞してもらい、生きる力になる。昔はとにかく美味しい料理に興味があった。いろんな美味しいものを頂いた。今は、美味しいだけの、綺麗なだけの料理ではない、気の入った料理、身体を心にいい料理というものに興味がある。

機内食は、そういう意味では全くライフエネルギーがないなあ。

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