ばななさんと美人カレーで、盛り上がる。まるで「戦場のピクニック」。

高校時代に、演劇部だった。フェルナンド・アラバール作の「戦場のピクニック」という劇をやったことがある。

戦場の前線に、なぜか、家族全員が暢気にピクニックにくると言う内容だった。当時、僕らはイヨネスコや、ベコットなどの不条理劇にちょっと凝っていたようだ。

僕は、その時にしたくないのに、なぜか主演の兵士だった。

よしもとばななさんと、下北沢で、話題の美人カレーに行った。美人がやっている美味しいカレーがあって、8歳の息子も美人もカレーも大好き。大内さんも美人に弱いし、美味しいものに弱いから、ぜひ一緒にいつか行こう、と誘われていた。

このお誘いを実現しないで、死ぬのは心残りだ、それに、ばななさんにも会わないでNYに戻るのも、心残り。というので、今日でかけた。すぐ近所に住んでいるTaoZenの事務局の順子さん(というか、彼女なしでは、全くどうなってしまうの?という重要人物)と4人で美人カレー。たしかに旨い。それに確かに、何か存在が美人だ。男性二人(僕とチビ)はそわそわして、美味しくいただいて、かなりはしゃいだ。僕ななんて、写真もバチバチ撮っちゃって、ご免なさい、他のお客様。ばななさん、ごちそう様でした。

その後、これも美味しいコーヒーで、はしゃいだ。チビ君が、順子さんに、いきなり結婚しようとプロポーズされていた。あと、十年待たなくては、その時には、幾つ歳が離れてるの?(この意味不明)。コーヒーは、順子さんのごちそう。すっかりごちそうになった昼だった。

でも、なによりのごちそうは食べものではなく、一緒にいられる空間と時間だ。

せっかく、日本を代表する文学者を前に、いつもひとつも気の利いた話も僕はできずに、でもいつも楽しい。とてもホッとするウイットを自然にもってらっしゃる素晴らしい友人だ。有り難う。ばななさんの貴重な時間を無駄にしてないことを祈る。

なんか、昔やった、「戦場のピクニック」を表参道に帰る地下鉄の中でビビッドに思い出した。ばななさんも、ちび(もうチビでなくなってきた)も、不思議なマスクが不条理だった。僕のマスクよりも効果抜群って感じのヤツだった。

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