トラウマ療法:ソマティック・エクスペリエンス。

トラウマ療法のなかでも、効果的ということでアメリカやヨーロッパで評判のソマティック・エクスペリエンス(SE )の専門家のドイツ人アネッテ・カールバークハートさんと一緒にワークショップをウィーンで行いました。

ピーター・リヴァイン博士が開発した、このトラウマ療法は、いままでの分析法ではなく、身体の感覚に重要性を置いたセラピーでNASAや、帰還兵士などにも短期的なセッションで効果があるということと、自然療法であることで注目を浴びている。

アネッテとは、タオガーデンで何度か会って、パリでのカンフェランスでも、オランダの僕のワークショップにも参加してくれた。彼女は僕がTaoZenでしていることがSEに通じるものがあるというので、ぜひ一緒にワークショップをやろうと言うことになった。

僕のワークショップの行い方は、大体のプランはあるものの、その場で、参加者たちを感じながら、進めて行くやり方です。だから同じ内容のワークショップでも、かなり進め方が違ったりもするし、技法も多少異なります。僕は、これが伝統的な東洋のやり方だと信じているのです。この方法がアネッテには、かなり理解ができなかったようで、細かいプランが必要だというので、事前にスカイプで議論を重ねた。

僕のやり方は、ジャズのジャムセッションのようなもので、なにを演奏するかは決まっているけれど、どう演奏するかはその場にならないと分からないというような方法です。自己啓発のワークショップやビジネスコーチの人たちは、きちんと決まったプランの元で行っている人がほとんどですし、この僕の方法はアネッテには、かなり大変だったようだった。二人でアドリブで解け合うように進めていくことは困難だったようで、結局は彼女の進め方に僕が着いていくという方法にした。

ソマティック・エクスペリエンスの考え方、それ以上に対処の方法は、たしかにTaoZenをほとんど同じだったのが、面白かった。

僕はトラウマという言葉を使わないけれど、そういう表現方法でも可能だということも分かった。チネイザンの方法や、気功、呼吸法、気功などが、トラウマ療法にとても効果があるということも再認識した。アネッテもいろんなことを発見したと言ってくれた。ちがいはSEは、あくまでも直すことに興味の中心にあって、クライアントを治すことを目的にしている。一方、僕は自分で気づき、自分であるいは、グループでの中で、それぞれが変化していくことを期待しているものです。瞑想や太極拳、呼吸法もそうだし、チネイザン・セラピーも同じだ。治すということを目的にはしていない。

実際のセッションも体験したかったので、アネッテの友人のSEのセラピストのマイケルのプライベートセッションも受けてみた。心理療法は、友人の間でないほうが、すっきり出来るのではないかという彼女のアイデアだった。

ピーター・リブァインの最近出た “ in an Unspoken Voice”という本を今読んでいる。厚いので果たしてどこまで読めることか。TaoZenのテーマでもある心と身体の事に、とても関係が深い本だと思う。いろんなものを出来るだけ吸収してすこしでも、もっと役に立てられるものにしていきたい。と同時にむやみに簡単に混ぜこぜにはしたくない。

今、日本にはトラウマ症状になっている人、あるいは、そうだと思っている人が多いと思う。そういう意味でも、このソマティック・エクスペリエンスは興味深い。

あああ、こういう時につくづく後悔する。もっともっと若い時にいろいろ勉強しておくべきだったと。

でも、まあ、今は今だからね。やれることはやって行こう。

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