インタビュー記事 (その?)

先日、ウエッブマガジンのインタビューを受けました。
電話でしたのですが、いきなり好きな本はなんですか?とか何故TaoZenをしたのかとか、普段考えていないことを聞かれて、ある意味で気づきがありました。
http://blog.mag2.com/m/log/0000149737/
で見ることが出来るそうですが、念のために下にコピーしておきます。
長いので、適当に流してください。
自分のことを、いろいろ聞かれるのって、不思議でした。

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■著者インタビュー
    『TaoZen 瞑想エクササイズ』(青春出版社)
 大内雅弘さん
  ~健康には昔の人の知恵や詩によって、心を洗う経験が必要~
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(著者紹介)
大内 雅弘(おおうち まさひろ)さん

ヒーリング・タオ・センター・ニューヨーク、タオゼン・アソシエー
ション設立者および代表。瞑想、気功、太極拳などを教えて30年以上
のキャリアを持つ。世界的に有名なタオのマスター、マンタック・チ
アのヒーリング・タオのオリジナルメンバーとして、タオの体系化お
よび世界展開を手がけ、ヒーリングタオ、禅、ヨガの技法や哲学をも
とに、瞑想、気功、呼吸法を日常生活の中にとりいれることのできる
「TaoZen」メソッドを開発。現在、全米だけでなく、ヨーロッパや、
南米、アフリカなどでもワークショップを行っている。

『TaoZen 瞑想エクササイズ』
http://mo-v.jp/?903a

~~~~~

・まずは出版の経緯を教えてください。

大内雅弘さん(以下、敬称略)
ワークショップの生徒さんだった今屋さんというプロデューサーがア
ップルシード・エージェンシーの鬼塚さんを連れてきてくださったの
がきっかけで、本の話が具体的になりました。以前から本の形で自分
の思っていることをまとめてみたいと思って、思いついたことを書き
散らしてはいたんです。しかし、なかなか実際に出版するということ
には踏み出せないでいました。

・では、ある程度構想はまとまっていたんですか?

大内
いえ、全然。書いていたのはメモ程度のことで、昨日は呼吸法のテク
ニック、今日は違うものというふうに、とにかく思いつくままに書い
ていました。文章のトーンとか、誰に読ませたいとか全然気にしない
で。本が出版される仕組みなんて知りませんからね。ある程度まとま
れば、編集者がまとめてくれるんだろうと思っていたんです。実際、
今屋さんや、編集の方にうまくまとめていただいたのですが、その際
いろいろと注文もいただきました。

・たとえば、どのような?

大内
もっと具体的なエピソードがほしいと言われました。でも私は、自分
の経験をあまり人に話さないのです。平凡な、当たり前の人生ですし、
過去のことにはあんまり興味が無なかったので。

・大内さんの経歴は全然平凡ではないですよ。たとえば、本にある略
歴に「幼少の頃から禅に惹かれ」とあるじゃないですか。普通の子ど
もは「禅」に惹かれたりしません。

大内
そうかなあ。

・どういうきっかけがあったんですか?

大内
小学四年生のときです。父親の関係で、田舎の山寺へ行ったんですね。
どこにでもある小さな禅寺ですが500年以上の歴史があるお寺でした。
そこで私は「なんだか、ここにいたいなあ」と思った。それで夏休み
中ずっとそこで暮らしていたんです。特別、修行なんかはしていませ
ん。ただ毎日、廊下の掃除だけやりなさいと言われて、あとは遊んで
昼寝して。結局、五年生の夏休みもそのお寺で暮らしました。改めて
考えると、そのときの経験が影響したのかもしれませんが、その時は
ただそうしたいからしていただけでした。

・タオゼンの指導者となる素養は元々あったのですね。

大内
さあ、どうでしょう。でも確かに現在の活動の元になっている太極拳
やヨガ、瞑想といったものは、バラバラに習っていたのです。インド
のアシュラムでヨガを習っていたときにも、太極拳の練習をしていま
したが、皆、妙な顔して見ていました。それらにつながりがあるとわ
かったのは、ニューヨークに渡ってからでした。そのアメリカに住む
ことも、実は子どもの頃に僕は外国に住むんだろうってなんとなく考
えていたことが影響しているのかもしれませんね。

・やはり変わっています(笑)。

大内
本を出版した関係もあって、経歴やタオゼンの世界に入ったきっかけ
をいろいろな人に聞かれたのですが、確かに驚かれることが多い。自
分にとっては当たり前でも、第三者には面白いんだなというのは発見
でした。

・他にはどんな発見がありましたか?

大内
それが面白いんです。いろいろ書いていたら、自分の中に相当な量の
材料があることがわかった。次から次へと湧いてくるんです。まだ1
冊目を出したばかりですけれど、すでに5冊くらいの内容は、僕の中
で湧き出てきています。だから、今はどんどん書きたくなっています。
英語でも書き始めました。私にはそういうことが多いんです。ゼンや
瞑想を教えるきっかけもそうでした。最初、私は人に教えるなんてと
てもできないと思っていました。そういうのは悟りを開いた人がやる
ものだと。しかし、先生の代行のような形で教える機会があった時、
生徒さんに質問されると、自分の中にその答えがすべてあることに気
づいたんです。「わからない」ということも含めて。本を出すことも、
それと同じようなパターンでした。

・つまり、本を出版することに興味はあったけれど、自分の中にそう
いうスキルはないと感じていたんですね。

大内
ええ。本を出版するのは、特別な人間のすることで、私なんかとても
無理だと長年思っていました。だって、すばらしい本というのはそれ
ほどあるわけじゃないでしょう。文才のある人たちでもそうなんです
から、自分にはできない、そう思っていたんです。ましてや今は、日
本語がかなり怪しくなっていますから。(笑)

・しかし今回、本を出版しました。

大内
テレビドラマのような軽い映画が増えているように、最近は雑誌のよ
うな感じの本も多いなと気づいたんです。それで少し気が楽になった。
たとえ、ちゃんとした本でなくても、パッと読めるものを出すのが、
自分の使命かもしれないなどと思い始めたんです。考えすぎもいけな
いんですね。

・本に対する基準がとても高かったんですね。これまでにどんな本に
影響を受けてこられたんですか?

大内
やはり精神世界や生理学、心理学の専門書が多いですね。いつも持ち
歩いているのは、『老子』です。とても深遠な著作で、訳者によって
解釈が全然違う。それで何十冊も持っています。私は英訳本が好きで
すね。日本語で読むと、言葉に込められた意味が重すぎて、体の中に
すっと入ってこない気がするんです。

・『老子』ですか。それはハードルが高い(笑)。他には?

大内
高校・大学の頃はエーリッヒ・フロムの『愛するということ』(紀伊
国屋書店)に夢中でした。原題『Art of love』が端的に示している
ように、「愛には技術が必要だ」というメッセージに感銘を受けたん
です。小説の類いはあまり読みませんが、G・ガルシア=マルケスの
『百年の孤独』(新潮社)や『エレンディラ』(筑摩書房)は好きで
すね。ここを見ながら同時に別のところを見ている、そんな感じがす
るんです。

・その感覚は、なんとなくわかる気がします。

大内
表現という意味では、サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら
』(白水社)。普通の言葉が並んでいるけれど、とても深い余韻を残
してくれる。何かを考えさせる。音楽にたとえると、ボブ・マーレー
とか、J・S・バッハとか、フィリップ・グラスがそうですね。何気
ない短いメロディがリピートして、全体がまとまっている。それで恐
怖感や喜びを表現している。ティック・ナット・ハンというベトナム
のお坊さんを知っていますか?

・いえ、存じません。

大内
彼の著書に『peace is every step』というのがあるんですが、それ
がまさに普通の言葉で、心の深いところをドーンと突いてくるという
本なんです(邦訳なし。ティック・ナット・ハンの著書は、『あなた
に平和が訪れる禅的生活のすすめ』[アスペクト]など多数)。本当は
そういう本を書きたい。

続きはnext!

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